みなさんこんにちは。孤独のサイコマンです。
9月になり、一気に涼しくなり快適な生活を送れるようになりましたね。
きょうは、復讐に燃えているあなたへ送るというテーマでお伝えしていきたいと思います。
人は誰しも、「あいつだけは許さない」という人間がいます。逆に一人もいないという人は怖いですよね。
しかし私の人生経験上「復讐心」というのはあまり人生において有益ではありません。
その理由を述べさせていただきます。
①時間とカネの無駄である
一つ目は「時間とカネ」の無駄になるということです。
例えば最近ニュースになった東京・港区の白金高輪駅での硫酸事件を例に出します。
報道によると、被疑者の男は25歳の大学生で、被害者は22歳の社会人。
2人は沖縄の大学で先輩後輩としてサークルで知り合ったということです。
被疑者の男は静岡市に住んでいましたが、事件を起こすために、上京してきました。そして、被害者の男性の後をつけて、白金高輪駅でエスカレーターで追い抜きざまに顔などに硫酸をかけた疑いがもたれています。
まず、静岡市から東京まで事件を起こすために上京をして、さらに事件後は沖縄の知人宅に身を寄せていたようですが、結局、捜査員によって逮捕され、現在は警察署に留置されています。
時間・お金ともかなり使っていますが、ここで問題なのは、すべて「消費」しているという事実です。
いま投資ブームですからご存じの方も多いと思いますが、すべての行動には投資と浪費にわかれます。
資格の勉強したり転職活動したり、留学したりすることは自己投資です。
株式や不動産などを購入するのも投資、しかし、嗜好品などの購入はすべて浪費となります。
この被疑者が移動に使用した時間とカネ、そして犯行に使用した硫酸の購入代金などはすべて「浪費」です。
被害者の男性に復讐を果たすための一連の行動は自己投資になんらなっていません。
ここが問題です。たとえ、恨みを果たしたと思って、ストレス発散になったとしてもその恨みは相手に移動していしまいますから、また復讐をされる可能性がありますし、そもそも、警察に逮捕されています。
報道ではすべて被疑者は実名で発表されており、もし起訴されずに在宅捜査になったとしても、インターネットには永遠に被疑者として実名が残ることになり、就職活動に圧倒的に不利になるばかりか、事件を起こした前科者として、一生背中にそのレッテルをはられたまま生きていくことになります。
どう考えても、得策ではありませんよね?
ですから、復讐というものは何の利益も生み出さないということが経済の理論からもよくわかると思います。
②不健全な精神が芽生えてしまう
二つ目は「不健全な精神は肉体もむしばむ」ということです。
この被疑者の男は復讐のために硫酸を被害者の男性にかけたと思いますが、
非常に不健全なメンタル状態であったことは間違いありません。
報道によると、被疑者の男は両親がすでに他界されており、1人で暮らしていたようです。
もちろん1人だからといって全員がメンタルを病むわけではありませんが、
何か悩みなどを相談できる人が近くにいなかったことは推測できます。
人間は一人になると思い込みがそのまま増幅してしまう傾向があり、
悶々としていたところにふと過去にこの被害男性とのやり取りがひっかかったものが、よみがえり、復讐を実行しようとした可能性はあります。
実際、事件前にラインで宿泊を拒否されたり、東京で過去、呼び捨てをされたことを批判していたなどの報道がありますが、卒業から時間が経過しても、その被害男性に対する怒りや復讐心が心の中に育っていたことがわかります。
視野が非常に狭い状態になってしまっていると考えられます。
私ももちろん、中学・高校といじめにあったこともありますが、
いまは大学・会社と色々な人間と会い、「そんなもんだ」という達観した感情が生まれたため、とくに過去いじめをしてきた人間に対して復讐をしようとは考えることはなくなっています。
しかし、もし、ここで大学受験に失敗したり、就職活動がうまくいかなかったりしたら・・・。ひょっとしたら、その人生がうまくいかなかった理由を過去のそうしたいじめをしてきた人間に責任を転嫁してしまう可能性はあったと思われます。
人間は自分が一番かわいいですから、自分の非を簡単に認めたくありません。「あいつがあの時、あんなことをやられたから、今こんな目にあっている」などと考える人は大勢いますし、それがエスカレートする事件が起きます。
これは他人同士でも家族間でも同様です。引きこもりの原因を親に転嫁してしまうケースが相次ぐのものそれが影響していますし、実際これにより事件になってしまうことも多々あります。
不健全な精神状態になりやすいことがまさにこの復讐という感情なのです。
みなさんも普段あたまにくる同級生先輩、上司、同僚、後輩などいると思いますが、自分の人生がうまくいっていないと思ったときにそういう嫌な連中のせいにしてしまいがちです。
これは精神状態がよくない状態ですので、一度リフレッシュすることをおすすめします。
もちろん、全員がこの白金高輪のような事件を起こすことはありません。しかし、数人は実行に移してしまうのが現代です。
自分の心の状態をはかるためにも、この白金高輪のような事件を他人事としないように他山の石ととらえなければいけません。
③視野がものすごく狭まる
最後は視野が狭まるということです。
復讐というのは究極の近視眼的な精神状態であり、視野狭窄状態です。
いつの時代も復讐というのは人間の本質であり、小説や映画などにもその感情を使われることが多いです。
「さまよう刃」という小説があります。映画化もされましたが、自分の娘を強姦され殺害されたことを知った父親が犯人に復讐をするためにひたすら追いつめていく様を描写したものでありますが、
まさに、復讐というのは犯人にしか興味がなくなるということです。
もちろん、これは実際もし起きてしまえば、どんな親でも犯人を殺すほど憎いことだと思います。
しかし、警察が捜査し逮捕し、検察が公判請求をして、裁判にかけて罪を償わせるという日本の司法制度においては復讐というのは許されていません。
復讐をした側も罰することになりますので、まさに負の感情の連鎖となります。
こんなことを書いている私でもいまだ「こいつだけは許せん」という人間が5人はいます。
いずれも復讐をしようとまでは思いませんが、顔を見るたびに憎悪の感情が沸き上がります。しかし、ここでやられたことをやり返していると負のスパイラルが繰り返されるだけで、建設的なことは何一つありません。
大切なことは、感情ではなく、生き方を問われているということです。
自分がこういう不条理な場面に出くわしたときに、どういう生き方を選ぶのか、それは自分でしか選ぶことができません。
辛い道をとるのか、それでも短絡的に恨みを晴らす行動をとるのか、
人間はかくも難しい選択にいつも悩まされますが、基本的には未来を見据えた行動をとるほうが得策です。
振り返って「あの時あんなことをしてしまった」と思うのか、「あの時、こういう行動をとってよかった」と振り返ることができるのか?
一時に感情に任せた血染めの行動をとるのか?それとも、人間としての理性の行動をとるのか?それはあなたの今までも生き方・考え方をそのまま反映させるということになります。
人生は不条理の連続です。この被疑者の男も被害者の男性もおそらくそれぞれ言い分があると思いますが、ここでさばきを受けるのは被疑者の男だということを忘れてはいけません。
被害者の男性はやけどによる6か月の重傷を負いました、おそらくやけどの跡は消えずに、そのあとをみるたびに、男のことを思い出すことになりますが、それが復讐の炎となるのか、それとも理性の水でかき消すことができるのか、これはこの男性のこれまでの人生にかかっていると思います。(了)
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